マンションの寿命は何年?

マンションの寿命というと30年とか50年とかというイメージがありますよね。

そう考えると、「中古マンションはちょっと・・・」と思うかもしれません。

 

しかも、戸建住宅と違って、自分のタイミングで勝手に建替えるわけにはいきません。

なんと言っても区分所有者の4/5(80%)の同意が必要なのです。

実際はどのようになっているのかご紹介いたします。

 

マンションの寿命は一概に決められない

マンションのほとんどは鉄筋コンクリート(RC)または鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC)です。

つまり、寿命に大きく関係する要素は「コンクリート」にあります。

色々な研究がありますが、この「コンクリート」の劣化を防ぎ、内部の鉄筋などの腐食を防ぐ大きな要因は「メンテナンス」に尽きます。

 

この「メンテナンス」が定期的に行われていれば「65年以上持つ」と言われています。
(現状でも100年コンクリートもあり、大手ゼネコンは500年コンクリートを開発しています。)

「メンテナンス」は、管理組合によって「修繕計画」が定期的に見直され、各住居者から「修繕費」として徴収したお金を使って実施されます。

 

どのマンションでも10年~15年ごとに「大規模修繕」という形でメンテナンスが実施されていると思います。

 

また、マンションが建設されている「環境」も重要な要素です。
特に、海に面している立地(塩害)や日当たりの悪い立地(湿気、カビ)などによりコンクリート自体の寿命が短くなってしまいます。

 

1960年~1970年代に建てられた古いマンションでは「修繕計画」自体がなく、お金も集めていないため「大規模修繕」などのメンテナンスが「行われていないことがある」ことも注意しておきましょう。

 

ここで注意したいのは、よく耳にする「47年」という「法定耐用年数」です。

「法定耐用年数」というのは「税法上」の考え方で、マンションの劣化や寿命を反映したものではありませんので注意しましょう。

 

マンション建替えの問題点

国土交通省のデータでは、平成28年末時点のマンション数は633.5万戸。そのうち、旧耐震基準によるマンションは104万戸です。
1棟当たりが平均50戸あるとして、12.6万棟のマンションがあることになります。

 

そのうち、建替えを実施し完了したのは232棟。実施中が24棟。準備中が12棟です。(平成29年4月1日時点)

 

建替え事例があまりに少ないと感じた方もいらっしゃると思いますが、鉄筋コンクリート造のマンションの歴史自体が50年程度なので今からどんどん増えてくることになります。

 

現在、建替えが実施されているマンションは、「エレベータがない」「建物のスペックが低く、住みづらい」などの問題を抱えているところが多いと思われます。

 

また、古いマンションは容積率が十分に使われていないことで(土地の広さのわりに低層階)、容積率限度まで住居数を増やし分譲することで各居住者の建替え費用の負担を無くしている所もあります。

 

1、法的な問題

そもそも、日本の法律では「劣化が激しく、寿命が来たら建替えればいいんじゃない?」程度の決め方をしています。

建替えありきの法整備なのです。よく言えば「スクラップ アンド ビルド」ですが、高度成長期に決めた法律の延長線上ですから、今のような「高齢化社会となり、人口が減って空家がどんどん増えてくる」なんてことには全く対応していません。
 

現在、マンションの建替えには区分所有者の4/5(80%)が同意すれば建替えが可能です。

この80%の同意は非常に「高い壁」なので、「2/3(66.6%)にしよう」に法改正が検討がされているようですが、状況はあまり変わらないでしょう。

 

2、現実の問題

法整備の問題も関わってくるのですが、現在老朽化が進んでいるにも関わらず建替えができないマンションはどういう問題があるのでしょうか?

マンション毎に個別の事情があると思いますが、大きい課題は

  • 高額な費用負担
  • 建替えにかかる各所有者の負担金は2000万円以上と言われています。

  • 高齢化
  • 建替えの数年と残りの人生を考えて、死ぬまでこのままで大丈夫という考え方

の2点であると思います。

 

このページのまとめ

簡単にこのページのポイントを書いてみました。

  • 1、マンションの寿命は65年以上
  • 2、マンションの寿命はメンテナンス次第
  • 3、建替えは簡単にできない
  • 4、中古マンション購入時には「修繕計画」の確認をしよう<

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