マンションの売却手順は7つ。流れを確認しよう!
このサイトでは、「査定」「媒介契約」「内覧」といった商業的なイベントを中心とした手順ではなく、「皆様(売主)がやること」を中心とした手順をご案内しています。次の手順の間にやるべきことも簡単に書いています。
このページの目次
売却手順とスケジュールをざっくり知ろう
当サイトでご案内する売却手順は全部で7つ。順番にご覧になれば、次の手順の準備を進めながら安心してマンションの売却ができると思います。
各手順には「目安日数」を記載しています。実際にやってみると、そんなにのんびりできる目標ではありません。スケジュールを作る際にお役立てください。
各手順については次ページ以降に詳細をご案内しております。ここでは全体の手順をざっくりと確認して、各手順がどれくらいの作業量で時間がどれだけかかるのかをしっかりとイメージしておきましょう。
手順1.事前準備をする
多くのサイトで1番目の手順として「一括査定」や「不動産業者の見積もり」を挙げていますが、当サイトでは1番目に「事前準備」を挙げています。
目安日数は14日です。
売却するマンションの相場をインターネットで徹底的に調べ上げ、頭に叩き込みましょう。また、将来そろえる事になる必要書類もどんどん揃えましょう。
不動産のプロ相手に、専門知識や専門用語なんて必要ありません。不動産業者と面談する前に自分のマンションのことをよく知りましょう。
手順2.不動産業者を選ぶ
徹底して売却するマンションを調べ上げたら不動産業者とコンタクトです。まずは一括査定サイトで机上査定を申込み、見積をもらいます。調べ上げた相場と比べて検討し、3社程度に絞りましょう。
相場に比べてあまりに高い見積りを出した業者も要注意です。
目安日数は14日です。
手順3.訪問査定を受ける
さあ、「手順2」で3社程度に絞り込んだ不動産業者に来てもらい具体的な見積もり価格を出してもらいましょう。せっかくの面談機会です。どの会社の、どの担当者を今後の皆様の部下(パートナー)にしたいのかしっかり見極めましょう。信頼できる不動産業者(担当者)にめぐり合えれば満足のいく売却ができると思います。気合を入れて丁寧に対応しましょう。
目安日数は14日です。
手順4.媒介契約を結ぶ
訪問査定の見積もりが約束した納期で出てきましたか?不動産業者の対応は丁寧でしたか?一番納得できる条件で売ってくれそうな不動産業者を選んで媒介契約を結びましょう。
契約書は業者が当然作ってくれます。チェックポイントを確認しましょう。
目安日数は7日です。
手順5.売出し・内覧
広告など、購入依頼申込みに関わることは不動産業者が全てやってくれます。買主の内覧に備えて家のお掃除をしておきましょう。
目安日数は90日です。
この3ヶ月はやることが多いです。常にチェックすることだけでも書き2点。
- 広告の状況、内覧希望者が何人くらいいるのかを担当者にしっかり確認しましょう。
- (専属)専任媒介契約の場合は、レインズの登録を業者に操作されていないか常にチェックしましょう。
内覧に来た方が購入申込をしても、ほとんどの場合条件交渉があります。売買契約書(案)は業者が作ってくれますが、不利な契約にならないようにチェックしましょう。
売買契約は最後まで気を緩めないように。
また、契約が締結されるということは、ご自身の引越し手配が終わっていなければなりません。ご家族との調整もしっかりしておきましょう。
手順6.売買契約
売買契約前には最終的に手元に残るお金、残っているローンの支払い、引越し費用などを再確認しておきましょう。自身の引越しなど引渡しへの準備をどんどん進めましょう。
目安日数は45日です。
売買契約を結ぶ買主のローンの本審査が始まります。審査が通らないと契約自体がペナルティーなしで無効になります。ローンの審査が確実にとおりそうな買主と契約することも1つの選択肢です。
手順7.決済・登記・引渡し
銀行、司法書士なども含め関係者が全て集まります。準備はミスの無いよう、完璧に。
当然ですが、引渡しが終わる(鍵を引き渡す)と基本的に中には入れません。買主に嫌な思いをさせないよう、掃除もしっかり。引越しも完璧にいたしましょう。
マンション売却手順のまとめ
上記手順を図解で示しています。この図はマンションの売却手順をざっくり見るものです。もちろん、目安日数も示しています。
また、図をPDFでダウンロード可能です。ご活用ください。
マンションの売却手順
マンション売却の失敗例を知ろう
売却手順を細かく見る前に、失敗例を良く知っておきましょう。
中古マンション価格はあくまで「相場」です。購入者に「買いたい」と思ってもらえば高く売れるし、そうでなければ安くでしか売れません。
簡単に言えば「需要」と「印象」が重要なのです。
購入者は新規分譲マンションも含めいくつも内覧しています。その中で「どうしても買いたい」と思ってもらえるように努力する心構えを持ちましょう。
いくつかの失敗例をご紹介しますので、こんなことがないように心がけましょう。
信頼できる不動産業者を見つけられなかった
読み進めるうちに出てきますが、通常マンションの売却には仲介業者を選びます。
この仲介業者との契約を「媒介契約」といいます。そして、この「媒介契約」には複数の仲介業者と契約できる「一般媒介」と1つの業者としか契約できない「(専属)専任媒介契約」があります。
悪徳な業者の中には「他の業者に取られない専任媒介契約のほうが広告にも人もかけることができる」という上手いセールストークのみで契約期間中(3ヶ月が限度です)に放っておき、「売れないので値下げしたほうが良い」などと言って売主に不利な売却をしてしまうこともあるようです。
言っていることは「嘘」ではありませんが、「相場+アルファ」で希望時期に売却交渉してくれる業者でないと任せられません。
不動産売却サイトの中には複数の業者で競争させる「一般媒介契約」を勧めるものもありますが、『マンション売却の案内人』では「専任媒介契約」をお勧めしています。
理由は複数の業者の調整や情報整理が非常に煩雑になるためです。「他の業者に取られる可能性があるなら手を抜こう」と思う業者がいれば、せっかくの競争効果がなくなってしまいます。
まずは、このサイトでしっかり事前準備をした上で「パートナーとして信頼できる不動産業者」を探し出しましょう。
内覧対応での失敗
購入者は「しっかりした信頼できるオーナーさんから買いたい」と思うものです。
最悪なのは、「顔を合わすのも気まずいし、留守中に見てもらうのも嫌。」などと勝手な理由をつけて間取り図や写真などで対応を済ませようとする人がいます。
常識的にこんな人からは買いたくないです。
やはり、オーナーさんが設備を説明し、良いところも悪いところも自身を持って誠心誠意話してもらうと購入者は安心できます。
内覧の対応はしっかりするように心がけましょう。
また、「対応はしたいけど今日は無理・・・」なんてありそうですよね。
内覧は突然決まることがよくあります。中には「今日」なんてことも。
たとえば、購入者の気持ちになると「今日は時間があるから不動産やへ以降」と思って訪問。不動産業者から勧められても内覧が「明日」や「来週」ではダメなときがあります。
当然、購入者は「見れた物件の中で選ぶ」ことになりますから、日程調整ができなければ候補から除外されてしまいます。
売却が決まったらできるだけ内覧対応できるようにしておきましょう。
部屋の掃除をしていない
「部屋の掃除をしていなかった」というのも良くある失敗例です。
「契約後にハウスクリーニングやリフォームして引き渡す」といったことが前提条件としてあっても手を抜いてはいけません。やはり「印象」は非常に重要な購入条件です。
可能な限りピカピカにしておきましょう。別の内覧先はしっかりきれいにしていると思ってやりましょう。
また、実際に家具が入っていると間取り図よりもずっとに狭く感じます。
このような場合、不動産業者に中には、売却が決まるまで大きな家具を預かってくれるサービスをしてくれるところもあります。
家具が少ないと当然、広く見えますので印象が良いです。
必要のない家具を廃棄することを含めて、できるだけ家の中はスッキリしておきましょう。
売り出し価格が相場と違いすぎる
購入者には予算があります。「売却を急いでいないから」と最後の価格交渉で下がることも考慮して、相場からあまりかけ離れると、「売り物件」としての対象からも外れてしまいます。
結果として内覧者も現れず、値下げ。9月~12月という良い売却時期も外れてさらに価格が下落・・・なんてことのないように、信頼できる不動産業者のアドバイスもしっかり聞きましょう。
ちなみに人の移動が多い3月、4月入居を目標に売却を考える場合、9月~12月に売却を開始するとスムーズな売却ができる良い時期となりますので頭に入れておきましょう。
売る側も引越し先の決定や、引越しの時期を考えると、年明けからでは少しバタバタするかもしれません。
価格交渉に一切応じない
何度も書きますが、中古マンションは「相場」で決まります。
購入時にかかった費用や「そんなに落ちるはずがない・・・」といった勝手な思い入れで価格は決まりません。
また、新規分譲マンションと違って、中古マンションはこれまでの「管理状態」で価格が変わってしまうため、同築年数のマンションだからといって近隣と同様の相場になるとは限りません。
マンションのエントランスはきれいですか?
共用部分の清掃は行き届いていますか?
ゴミ出しのルールは守られていますか?
マンションは災害時の対応が出来ていますか?
今までの管理組合での努力が「資産価値」として跳ね返ってきます。
自分のマンションの相場をしっかりと情報収集してから売却に望みましょう。
不動産の専門用語は必要なときに覚えれば十分
残念なことに、不動産の売却は法律用語や専門の機関、手続きなど一般には使わない言葉があります。言葉の定義や詳細なことは必要ないと思いますが、知ったかぶりをしてしまうと、売却全般を通して不動産業者とのコミュニケーションが悪くなってしまいます。
上の図の中にも「媒介契約」「レインズ」などの聞きなれない言葉がありますが、そこの手順まで進むとページ内に用語説明をしています。
一度に覚えると、どの部分の用語だったか曖昧になってしまうので必要なときにしっかり覚えましょう。
それでは、売却手順1(事前準備)に進んで行きましょう。
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