タワーマンションや大規模マンションってどうなの?購入時の注意点
今、高級な大規模マンションが人気です。
このページをご覧の皆様の中にも「子供たちも成人したし、夫婦で眺めの良いところでゆっくり過ごそうかな・・・」とタワーマンションの購入をご検討されている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
厳密な規定は無いようですが、一般的に
- 大規模マンション・・・100戸以上
- タワーマンション・・・20階以上
と認識しているようです。
当然ですが、こういった高級マンションはかなり大手のディベロッパー(開発会社)が開発している場合が多いでしょう。
必ずしも高級=大規模というわけではありませんが、開発には相当な開発費が必要でしょうから当然大手になるわけです。
こういった大手の開発の中でも、富裕層向けの高級ブランドを作って市場価値を高めています。
例を挙げると、
- 東急不動産の「ブランズ」
- 野村不動産の「プラウド」
- 東京建物の「ブリリア」
などです。ほとんどの方はテレビのCMや広告などで一度は耳にしたことがあると思います。
こうしたブランドは卓越したブランド作り戦略によって外観はもちろん、立地や内装まで統一した基準で作られているのも特徴です。
低金利や東京オリンピックなどの影響で、マンション価格も継続して高騰し、なかなか庶民の手の届かないものではありますが、この低金利時代、「持っているだけでも売却時には高値で売れる!」などと思っていませんか?
今回は最近流行りのタワーマンション購入のメリットやデメリット、また購入時の注意点をアドバイスいたします。
このページの目次
大規模マンション購入のメリット
大規模マンションの良いところは、エントランスや付帯設備といったハード面のみならず、管理業務のようなソフト面においても優れたサービスを提供できることです。
たとえば、年間に100万円かかるサービスがあったとして、50戸のマンションであれば1戸2万円。200戸だと(当然ですが)5000円で提供できます。
月額で500円もかからない計算になりますからお得な感じがしますよね。
大規模マンションはメリットがいっぱいありますのでご紹介いたしましょう。
1、高層階は虫が入ってこない
ちょっとしたことのようですが、虫が嫌いな人にとってはとても大事です。
我が家(高層階ではありません・・・)でも毎年大騒ぎです。
妻と娘は一度蚊に刺されると3週間くらい腫れ上がります。しかし私は10分も経つと跡形も無く、かゆくも無い・・・・。
従って、窓を開けるたびに「早く閉めてーーーーー!」の絶叫が。
大変ですよね。
虫が嫌いな人は、是非タワーマンションを購入ください。
2、豪華な共用施設
パンフレットを見ただけでもドキドキするような豪華な共用施設には本当に驚かされます。
まずは、ホテルのようなエントランスに衝撃を受けます。
これは異空間で「こんなところに住んでみたい!」と思うのも当然ですね。
また、個別のマンションごとに違いはあるものの、
- プール
- フィットネスジム
- キッズルーム
- ゲストルーム
なども居住者専用に用意されているところもあります。
こんな施設が敷地内にあるのは本当に魅力的ですよね。
憧れもあるし、知り合いに自慢したいポイント間違いなしです。
3、充実した管理サービス
前述しましたが、大規模マンションはたくさんの居住者で管理コストを頭割りすることができるので、1戸当たりの管理費をおさえつつ充実した管理やサービスを提供することができます。
施設や設備などの目に見える部分だけでなく、ソフトの部分でも大規模マンションにはメリットがあります。たくさんの居住者で管理コストを頭割りすることによって、充実した管理・サービスを少ない負担で受けることができるのです。
- 24時間体制の警備体制
- フロントのコンシェルジュ
などは、中小規模のマンションではあり得ないサービスです。
また、マンションの所有者となれば当然、管理組合活動にも参画しなければなりませんが、大規模マンションでは住民同士のコミュニケーションも希薄になりがちです。
しかし、その分、経験やノウハウを持った大手の管理会社がブランドの価値を下げないようにしっかりとサポートしてくれるはずで、日常の管理運営には支障は少ないと考えられます。
4、利便性の高さ
大規模マンションは駅周辺などの再開発と一体で整備されることが多く、敷地面積自体が非常に大きなものになります。
この広大な敷地に居住するだけでは、買い物などの日常生活が不便になってしまうため、ショッピングモールや商業・文化施設を併設するなど、利便性を高める工夫がされています。
また、病院などの医療機関や保育園といった施設があるところもあります。
前述したキッズルームや敷地内の公園などは子育て世代のお母さんにとっても非常に魅力的なものではないでしょうか?
また、雨の日でも敷地内で買い物が出来るのは、気が楽だしとてもメリットを感じますよね。
5、圧倒的な眺望
実際に内見された方はあまりの眺望の良さに言葉を失うこともあるでしょう。
また、高層のタワーマンションでなくても大規模マンションはその敷地の広さを生かして、公園や木々を心地よく配置して日本の四季を存分に楽しめるような設計をしているはずです。
部屋を見る前に圧倒されてしまいますよね。
これこそ資産価値。「こんなところに住んでみたい!」と思う人が多ければ多いほど資産価値は下がらないのです。
6、リセールバリューの高さ
とにかく、大手の開発会社はブランド価値の維持には徹底した対策を打っています。
ブランド・マンションのホームページには購入者の会員制度があり、購入後のサポートや、さらに売却時の相談までしっかりとブランドを保つ仕掛けがしてあります。
自動車も外車の「認定中古車」なんてしっかりと整備がされていそうで、非常に安心感がありますよね。
リセールバリューは大事な資産にとって非常に重要な要素です。
購入予定の方は、「購入後にどんなサービスをしてくれるのか?」をしっかり聞いてみましょう。
「売りっぱなし」ではない手厚く、卓越したサービスにきっと感激すると思います。
大規模マンション購入のデメリット
さて、良いことばかりと思えるタワーマンションや大規模マンションですが、その規模の大きさ故に人によっては取り返しのできないデメリットもあります。
購入時はしっかりと確認してから契約しましょう。
1、健康への影響
高層タワーマンションは、大規模な地震に対して建物が壊れないように十分な対策が取られています。
特にタワーマンションは免震構造のものが多いようです。
技術的な説明はここでは避けますが、直接地面に設置している「耐震構造」や「制震構造」のマンションに対して、「免震構造」は免震ゴムの上に建物が乗っかっている構造になっています。
実際に地震が起こったときは揺れを吸収して、タンスなどの家財の転倒や建物そのものの損傷を防いでくれます。
しかし、非常に揺れに敏感な人だと強い風の日にも微妙な揺れを感じたりすることもあるようです。
この「揺れ」だけが原因なのかどうかは医学的に証明されていないようですが、日本ではあまりマスコミに出てくることもありませんが、インターネットで調べてみると「超高層ビル症候群」という症状があるようです。
「超高層ビル症候群」は、
- 低気圧や揺れによる身体的なトラブル
- ストレスによるうつ病の発症
- 子どもの他人との関係性構築の欠如
- 自殺願望や対人恐怖症
- 流産
などの症状があるようです。
海外では育児家族の高層階への居住に制限を設けている国もあるようです。
もちろん快適に生活している人も多くいらっしゃるのですが、特に小さい子供がいらっしゃるご家庭ではよく検討することが大事です。
2、慣れるとそんなに見ない眺望
実際に住んでいる友人の話やインターネットでも感想が書かれていますが、購入時に感激したあの「すばらしい眺望」、慣れてしまうと
そんなに見なくなるらしいです。
高層階ほど高価になる買い物なので、「見ない眺めに何百万もかけちゃったなー・・・」と贅沢な悩みを言う人もいました。
その分、リセールバリューも高いので特に損しているわけではありませんが、最近では税制の改正で高層階の固定資産税は高くなりましたので注意しましょう。
3、「駅近」を実感できない
最近「住みたい町」に急上昇した「武蔵小杉」でも実際に起こっていますが、急激な開発で多くのタワーマンションが建つと周辺の住人が数万人規模で増えてしまいます。
駅のホームの新設など駅へのアクセスは対策が打たれますが、通勤・通学時間帯はみんな一緒。
駅までに行列が出来てなかなかホームにたどり着けない状態が続いているようです。
また、マンション自体は「駅近」で、仮に1分でたどり着いても「エレベータがこない!!!」という事態も。
エレベーターの設置は台数が多いほど便利ですが、それだけ管理費がかかってしまいます。
住民数、階数、収容人数などから、全体効率をシミュレーションして設置台数を決めています。
最近のエレベータはこの全体効率を最大にするようにコンピュータが計算して運用しています。
全体効率とは建物全体の効率なので、近くに(例えば一階上)あったとしても全体の効率が悪ければ別の階に行ってしまいます。
イライラしますよね。
ですから、最近のエレベータには、現在エレベータの箱がどこにあるか表示しなくなって、自分が乗る予定の箱の場所だけが点灯するようになっているんです。
帰宅が集中する時間帯だったり、「ちょっと忘れ物・・・」なんてときは気をつけないといけませんね。
5、投機目的の購入者が多い
新築のマンションだと実は分からないことですが、都心の中古タワーマンションには「値上がり期待」の投機的な目的で購入されているマンションもあります。
資金的に余裕があるためか、すぐに売る必要もないので、相場よりも高い価格で販売されているケースも多く注意が必要です。
円安ですから、中国人なども購入しているケースが多くあります。
価格が高いだけであれば「どうしても欲しい!」という方にとっては問題のない話ですが、マンションの場合「区分所有法」によって区分所有者の議決権が必要になりますから、マンションの色々なことを決定するときに問題が出てきます。
区分所有者が住民でないことが多いと、所有者としての意識が希薄になり、最悪「「連絡が取れない・・・」なんてことも。
しっかりとした管理が出来なくなってしまいますので特に中古で購入を検討している方は、投機的に所有している所有者がいないか確認するのが良いと思います。
簡単な方法は「所有者と居住者が一致している」ことを確認すればだいたい分かります。管理会社へ問合せしてみてはいかがでしょうか?
6、居住者格差
マンションの上層階は価格も高く、また固定資産税も高い。圧倒的な眺望もあいまって、まさに「ステータス」の象徴です。
マンションはただでさえ色々な生活スタイルを持つ人の集まりです。そこに住んでいない人から見たらばかばかしい話ですが、内部での軋轢は少なからずあるようです。
当然ですが、上層階に住んでいる人が全て他人を見下すような人ではありませんが、1人でもいると結構ストレスになるようです。
調査をしっかりと行って、覚悟をして購入いたしましょう。
7、災害時の不便さ
東日本大震災は多くの被害をもたらしました。震源に近いマンションではマンション住民のコミュニケーションが非常に重要だったと報告されています。
東京では地域によって地盤沈下などの問題もありましたが、大規模な建物の被害はそれほどありませんでした。
しかし、「計画停電」による影響はタワーマンションでの生活に大きな影響を与えたようです。
これは私自身がタクシーの運転手さんから聞いた話ですが、「急いで行ってくれ!!」と武蔵小杉のタワーマンションに帰るサラリーマンのお客さんが・・・。
よくよく聞くとあと5分で計画停電のためエレベータは停止。お部屋は45階・・・・。
そりゃ急ぐよね。
そのお客様はどうにか間に合ったみたいですが、豪華な設備も電気あってこそ。
ご購入予定の方は覚悟して購入してください。
このページのまとめ
簡単にこのページのポイントを書いてみました。
- 1、大規模マンションはメリットがいっぱい
- 2、求める生活スタイルに合わせて購入しましょう
- 3、デメリットもしっかり勉強しよう
- 4、災害時の対応はしっかりと検討しておこう