不動産業者を選ぼう

何度も申し上げますが、皆様の大きな目的はただ一つ。マンションをできるだけ高く売却することです。選んだ不動産業者によって天国にも地獄にもなります。完璧な選び方というのもないのですが、準備をしっかりして後悔しないように選びましょう。

一括査定サイトとは?

車の売却や引越し業者を選ぶ際にもよく耳にする一括査定サイトですが、簡単にいうと不動産業者に対する情報提供サイトです。マンションに住んでいると、「売ってください!」的なチラシをよく目にします。そのような不動産業者1社1社に見積もり依頼を出すのは面倒なので、一気に情報提供して査定してもらうツールが一括査定サイトです。
(注意:「手順1のStep1(相場を調べよう)」でご紹介した「相場検索サイト」と混同しないようにしてください。)
 

一括査定サイトのメリット・デメリット

そもそも不動産の売却は手間と時間のかかるものです。こちらから、面識もない複数の不動産業者に連絡をして、何度も同じ情報を流すのは考えるだけでも嫌になります。
そういう意味では良い売却パートナーを効率よく見つけだす方法として、最近では「一括査定サイト」が多く利用されています。
ここでは、一括査定サイトのメリットとデメリットを考えてみます。

メリット

  • 1、個別に連絡する必要がない

誰でも個別に何社も不動産業者を訪問したり、電話をしたりは面倒ですよね。しかも話す内容は同じ情報。最初は5社から見積もりを取ろうと考えていても、面倒になって結局地元の2社。結局安く売ってしまって後悔なんてこともあるかもしれません。一度の手間で複数の業者に依頼ができるのは大きなメリットです。

  • 2、前提条件として競合状態にある

一括査定では情報を得た不動産業者も、数社に依頼されていることが前提ですから必死です。サービスや対応も含めて他者に負ければすぐに契約の対象から外れてしまいます。一括査定を使うだけで暗黙のうちに競合状態を作り出せることは、売主にとって有利です。

  • 3、査定が高くなる

既に競合状態ですから、安ければ最初から売主に相手にされません。個別に行くよりも査定は高くなると考えられます。

  • 4、スピードが速い

競合状態ではのんびりしていれません。最初の連絡は早い業者は当日に連絡がくることもあります。

  • 5、忘れないうちに比較検討ができる

各不動産業者から出てきた見積もりは、当然皆様が比較検討します。競合状態では早めに情報が集まると予想されます。このページの最後からもダウンロードできるようになっていますが、「まとめ表」にも忘れないうちに集約されて比較検討がとても楽にできます。

デメリット

  • 1、求めていた業者にヒットしない

たくさんのサイトを見て調べていくうちに各不動産業者のサービスや特典が頭に入ってしまいます。何となく「いいな」と思った業者にヒットしないと気になりますよね。全ての業者が1つの一括査定サイトに登録されているわけではありません。この場合は複数の一括査定サイトでヒットするかを確認するか、個別にその業者のサイトで査定を申し込んではいかがでしょうか?

  • 2、最初の査定だけ高い金額が提示される可能性がある

あくまで営業ですから、こういった可能性は否定できません。媒介契約を結んだ後に「売れないから値下げしましょう」と言われる可能性もあります。
ここで役立つのが当サイト「事前準備」(相場を調べよう)です。相場通りに売るのは当然としても、あまりに高値も危険です。相場からあまりに離れた見積もりを出した業者は最初に排除しておきましょう。

  • 3、怒涛の営業をされる

申込み時点で厳しく要望していないと、怒涛の営業攻勢の可能性があります。しかも、要望を忘れると一気に複数の業者から営業を受けることになります。

要望したにも関わらず迷惑な営業をかけられたら、
1、査定を依頼したサイト
2、皆様のマンションを管轄する役所(行って事情を説明すれば担当所管を教えてくれます)
へクレームを入れてください。
不動産業者の迷惑営業は法律で禁止されていますので、ひどい場合には行政処分もあり、しっかり対応してくれるはずです。

重要ポイント!
不動産の一括査定サイトは何十社もあり、どのサイトで申込みをするか迷ってしまいます。
しかし、皆様と直接契約するのは、一括査定サイトから情報提供を受け、実際に皆様に見積もりをしてくる不動産業者なのです。
一括査定サイトの良否とは、「一括査定サイトの運営母体が、優良な不動産業者を選定した上で自社の運営サイトへ登録出来る能力があり、皆様が安心して不動産業者を選ぶ環境を整えているか」なのです。

インターネットで一括査定サイトを探す際には運営母体もご確認ください。

一括査定サイトの例

一括査定サイトは30以上あり、すべてをご紹介することはできませんが、7つのサイトをご紹介します。案内人自身がよく見かけるサイトを7つ選んだもので、特に大手であるとか何か基準があるわけではありません。ご興味のある方は、是非他のサイトも訪問してみてください。

ふじたろう ふじたろう一括査定ページへ
HOME4U HOME4U一括査定ページへ
マンションナビ マンションナビ一括査定ページへ
イエウール イエウール一括査定ページへ
オウチーノ オウチーノ一括査定ページへ
イエイ イエイ一括査定ページへ
スマイスター スマイスター一括査定ページへ

 

一括査定サイトを使ってみよう

『マンション売却の案内人』では一括査定サイトを利用することをお勧めしていますが、ほとんどのサイトでは「1300社から選べます」とか「1800社から選べます」とか膨大な数から選べることになっています。

実際、どうなるのか案内人が3つのサイトでやってみました。
名前や住所、連絡先などを必須項目として入力しなければなりませんが、最後の「一括査定申込み」や「送信」といったボタンをクリックしなければ不動産業者の選択まで見れますので、皆様も是非試してください。

ちなみに、案内人の家は都内の分譲マンション、3LDK、築20年です。

結果は下記の通り(注意:当然、何日も時間をあけて同じ作業をすると1~2社程度の違いが出ることがあります。)

1、「ふじたろう」の結果(6社)

2、「HOME4U」の結果(5社)


3、「オウチーノ」の結果(5社)

 
2社が重複していますので、3サイト合計で14社です。1サイトで5社程度というのは、以外に少ないと感じた方も多いのではないでしょうか?
実は他のサイトでもやってみたのですが、だいたい5社前後。最も少ないサイトで2社でした。

 

一括査定サイト活用方法

1つの一括査定サイトで多くの業者が選択できる場合には、下記のような条件で10社以下を目標に机上査定をもらいましょう。(あまり多いと対応が面倒です)

  • 中古マンションの売却経験が豊富
  • 大手を3社程度
  • 中堅を3社程度

しかし、案内人のように1つのサイトでは10社に満たない場合、不動産業者が重複しないように2~3つの一括査定サイトを使うのも良いと思います。

一括査定サイトではそのサイト経由で成約した場合、「(売却価格に応じて)商品券プレゼント」などのキャンペーンをやっていることもあり、お得な情報があるかも知れません。同じ不動産業者が選択できる場合、どのサイトで申し込むのが得か各サイトをよくチェックして申し込みましょう。

一括査定で概算(机上)見積を10社程度もらい、その中から3~5社に実際の訪問査定をしてもらいます。一方、地元の不動産業者にも足を運んで査定をしてもらい、最終的に1社に絞り込むのが良いと思います。

「最終的に1社」というのは当サイト「売却手順4」(媒介契約)のところにつながるのですが「専任媒介契約」もしくは「専属専任媒介契約」を結ぶことになります。いまのところ、言葉については全くチンプンカンプンで大丈夫です。

複数の不動産業者と媒介契約を結ぶことが可能な媒介契約を「一般媒介契約」といいますが、仮にそうなったとしても最初は「1社に絞る」という気持ちで望みましょう。
交渉するときも「最後は1社に決めます」と言った方が担当者の気合も入ります。

重要ポイント!
査定を申し込む際には売主の携帯番号や住所も当然記入が必要ですが、怒涛の営業をされるのが嫌な場合には、連絡欄や備考欄にはっきりと「査定の結果や連絡についてはメールのみでお願いいたします」と書いてください。
当然、メールアドレスの登録は「事前準備Step1」で新しく作ったアドレスにしておきましょう。

宅地建物取引業法では、宅地建物取引業者に対し、契約の締結の勧誘をするに際しての「電話による長時間の勧誘その他の私生活又は業務の平穏を害するような方法によりその者を困惑させる」行為を禁止しています。(宅地建物取引業法施行規則第16条の12第1号のハ)

一括査定依頼と同時に見積もりのまとめ表を作ろう

手順に従って作業をしていれば、見積もりを検討して不動産業者の絞込みを行う段階に来ています。次の手順である「訪問査定」に備え、まとめ表を作って、訪問査定を依頼と面談の準備を整えましょう。

まとめ表のサンプルはこんな感じです。

 

「訪問査定を受けよう」へ