マンション売却の作戦を立てよう
Step1,Step2で相場の調査が終わり、必要書類も目処がついたと思います。しかし、皆様は主役なのです。不動産会社に勝手にマンションの価値やPRポイントを決められてはいけません。大事な資産であるマンションの価値を本当に知っているのは皆様自身です。少しでも高く売却できるように、家族一丸となって作戦を立てましょう。
このページの目次
家族会議で情報を共有しよう
売却を進めるには奥様やご家族の協力が欠かせません。情報の共有はしっかりやっておきましょう。不動産会社の訪問査定は1社ということもないでしょう。また、購入希望者の内覧は買主のご予定に合わせる必要があります。当然平日の可能性もあり、できるだけ窓口を広くしておいたほうが良いと思います。 特に不動産会社をどこにするかについては奥様と営業マンの相性はとても重要です。奥様の「なんか嫌・・・。」とか「あの人は信用できる!」という感覚は、多少の価格差なら優先しても良いと思います。
また、家族会議で味方である奥様から受けた質問にしっかり答えられないようでは、不動産会社との戦いで勝つことはできません。実践練習だと思って臨んでください。
どんな家族会議にするかをイメージしよう
せっかく家族会議をするのに誰かが一方的に話しては意味がありません。後になって協力が得られなくなります。また、家族内だと遠慮がないですから、「調査した事実」を報告しているときにイメージが膨らんで全く話が飛んでしまうこともあるでしょう。そして結局さんざん感想を述べた挙句、世間話となって終了。結局なんだったっけということが(我が家でも頻繁に)あります。話があっちこっちに流れてしまわないように、結論がまとめられるように工夫しましょう。作戦会議はマンションの売却の流れ全体の中で、周りに影響されず自分たちだけで方針決定できる唯一の機会ですから、十分に時間を取ってしっかりやりましょう。
当サイト、Step1(相場を調べよう)で「売却情報まとめ表」をダウンロードしてまとめていれば、次の内容が簡単に報告できます。まとめ表の右側にあるメモ欄は、奥様からの質問に答える有効な資料です。しっかりメモしてあることを確認してください。
家族会議の結果をまとめよう
家族会議の結果は不動産業者との交渉に使う大事な武器です。下に「家族会議結果まとめ表(参考)」を作りましたので記入例と合わせてダウンロードして活用してください。
サンプルはこんな感じです。
家族会議での報告内容と議論の内容は最低限下記に挙げるポイントを抑えたほうが良いと思います。(「家族会議結果まとめ表(参考)」には下記ポイントがすべて入っています。)
家族会議結果まとめ表(参考)
家族会議結果まとめ表(記入例)
内容 | アドバイス |
---|---|
相場調査の結果報告 | 奥様からの質問の嵐かも・・・ |
売却目標価格 | 不動産業者との交渉開始価格です。慎重に決めましょう。 |
買い替えの有無 | どのタイミングで引っ越すのかスケジュール作りに重要です。 |
売却希望時期 | ご家族全員の都合も考えて慎重に。 |
物件のPRポイント | 言い忘れの無いようにリストにしましょう。 |
物件のマイナスポイント | 「わざと言わなかった」」と取られないように小さいこともリストにしましょう。売買契約前に伝えておくことで売却後の瑕疵担保責任を負うことがなくなります。 |
売却時に置いていくもの | エアコンや照明など、不要なものが決まっていれば早めに不動産業者に伝えましょう。通常は「付帯設備一覧表」と覚書を結び、瑕疵担保責任無しで譲渡できると思います。 |
売却理由 | 訳あり物件の売主は売却理由が明確でないことが多いため、不動産業者は必ず聞くよう指導されています。また、買い替えでは業者は営業をすることもできます。「余計なお世話だ!」と嫌な気にならず、明るくしっかり伝えましょう |
中古マンションの売却は「PRポイント」を見逃すな!
マンション購入時のポイントを検討する際には広告チラシなどを参考にすることが多いと思います。
たとえば、
- 室内の状況
- 室内の設備
- 眺望
- 駅からの距離
- 共用施設
- 近隣施設
- 学区
- マンションの施工会社
などです。
しかし、出来上がりが見えない新規分譲マンションとは違い、 中古マンションならではのPRポイントがあります。
それは、なんといっても管理状況です。
中古マンションの目に見えないPRポイントは非常に多く、また、入居した後にはとても重要なことがたくさんあります。
たとえば、
- エントランスの綺麗さ
- 活発な管理組合の活動
- 庭木の手入れ
- 共用部分のメンテナンス
- 管理規定の定期的な見直し
- 使用細則などの細則の定期的な策定・改定
- ゴミだしなど生活ルールの遵守
- 住民同士の挨拶
- 長期修繕計画の定期的な見直し
- 大規模修繕の確実な実施
- 優良な管理会社の選定
- 管理人の対応の良さ
- 生活騒音問題の有無
- 災害時・緊急時の対応マニュアルの整備
など数え上げたらキリがありません。
上記の「挨拶」は防犯上に非常に重要ですし、最近は自然災害が非常に多いため「災害時・緊急時の対応マニュアル」は安心感があります。
子育て世代の購入者であれば、「子供の多さ」や「子供への寛容度」も重要なポイントです。
しかも、これらのことは オーナー自身が一人で頑張っても獲得できない素晴らしいメリットなのです。
これらのことをPRするだけで、マンションという特殊な集団生活を支える生活基盤がしっかりしていることを証明することができます。
購入者の気持ちになると、これからマンションを購入してどれだけスムーズに正解を開始し、マンションの老朽化を防ぎながら長い時間生活ができるのかはとても重要なことです。
新規分譲マンションの場合、どんな人が周りに住んで、どんなトラブルが発生するかわかりません。
いくら不動産業者でも、オーナーよりもこういったPRポイントを熟知しているわけがありません。
しっかりとPRできるように 細かいところまで洗い出しておきましょう。
瑕疵(かし)担保責任とは
法律上の用語でなかなか体に入ってこない言葉ですよね。
瑕疵(かし)とはキズという意味です。瑕疵担保責任とは「その物が取引上普通に要求される品質が欠けていることなど、欠陥がある状態があり、それが取引上要求される通常の注意をしても気付かぬものである場合に、売主が買主に対して負う責任」をいいます。
民法と不動産の関連法規を網羅して説明するとややこしいので、「マンション売却」という条件を限定して説明します。このサイトでご案内しているのは次の2つの条件に当てはまります。
- 中古物件の売買
- 売主が個人(不動産業者ではない)
この場合、契約によって「瑕疵担保責任を負わない」または、瑕疵担保責任を負う期間を非常に短くすることができます。場合によりますが、4ヶ月~6ヶ月という契約もたくさんあります。
ただし、中古物件の場合で責任免除の規定がある場合でも、売主が瑕疵を知っていて敢えて買主にその事実を告げなかった場合は責任を負う(その瑕疵を知ってから1年!!!)ことになります。
心理的瑕疵物件を知ろう
最近、よく「事故物件」ということで話題になることがある物件なのですが、実は結構深い話題なのです。単純に「自殺、殺人」などがあった物件を指すと思われがちですが、それだけではありません。
1つの判断基準は「その事(または施設など)がある事が契約前から分かっていたら、契約(購入)をしなかった。」というかなり曖昧な内容です。一部、信じられないような内容もありますのでご紹介します。
- 「自殺・殺人」などがあった。
- 「事件や事故による死亡」などがあった。
- 周辺で「事件・事故・火災」等があった
- 周辺に「嫌悪施設」がある
嫌悪施設とは
「嫌悪施設」とさらっと上記リストに表記しておりますが、不動産流通推進センターのホームページには下記のように示されています。
現 象 | 施 設 |
---|---|
騒音や振動の発生 | 高速道路等の主要道路、飛行場、鉄道、地下軌道、航空基地、大型車両出入りの物流施設 等 |
煤煙や臭気(悪臭)の発生 | 工場、下水道処理場、ごみ焼却場、養豚・養鶏場、火葬場 等 |
危険を感じさせる | ガスタンク、ガソリンスタンド、高圧線鉄塔、危険物取扱工場、危険物貯蔵施設、暴力団組事務所 等 |
心理的に忌避される | 墓地、刑務所、風俗店、葬儀場 等 |
上記のリストの内容だと結構分かりやすいのですが、あくまでも買主の感情が全て。「静かな環境で過ごしたい」というような曖昧な要求があれば、法的な規制外でも不動産業者は、保育園、幼稚園、小学校・中学校等も可能性があるものとして重要事項として説明します。「子供たちの声がうるさい」、「子供たちにいたずらされる」などが理由です。世知辛い世の中です。皆様が全く気にしない内容でも嫌悪施設として認められてしまうので注意が必要です。
リフォームはやるべきか?
普段は気にならないのに、買い手の立場で見てみると色々悪いところが見えてきますよね。「少しでも高く売るためにリフォームしようか?」などと考えていませんか?ちょっと待ってください。リフォームに掛けた費用以上に高く売れるかどうかを検討しましょう。実際に決定した不動産業者に相談してからでも遅くありません。購入希望者の内覧の際はきれいに掃除してあれば十分です。
私の知り合いでもありましたが、「子供が小さいので、このままでいいから安く売ってほしい。大きくなってから全部自分たちでリフォームします。」という買主もいます。不動産業者はかなり大掛かりなリフォームもできるので、リフォームすることになっても、個人で手配するより安くできるはずです。中古物件ですから完璧な状態を望んでいる方はいないはず。買主の意向もありますから慌ててやらないようにしましょう。